10月の残暑は厳しいものがありましたが、運動会や引き取り訓練を無事に終了することができました。これは一重に御父母、関係者の皆様のご協力の賜物と感謝し、御礼申し上げます。
11月に入り、ようやく秋らしい日々となってまいりました。空気が澄んでいくなか、呼吸が楽になり、気持ちも心なしか落ち着いてきたように感じます。園庭は木々が紅葉する一方、落葉も目にします。葉っぱや木の実を集めてままごとや、あてっこ遊びに興じるなど、園児たちの遊びは活発化しています。
「集(すだ)く」という表現があります。意味は「多く集まってさわぐ。多く集まる」です。「虫集く」と言えば、虫が集まって鳴くことで、秋の季語でもあります。虫の音(ね)や鳥の鳴き声に耳を澄ます園児もいます。今年も猛暑の日が続き、園児たちは地面の反射熱もあり十分に外遊びができませんでした。そうした暑さのなかでも園庭の木々や花々が目に楽しみを与え、心を慰めてくれました。本園の園庭「トコトコたがらんど」には昆虫が棲み着き、鴨が「みんなのいけ」に飛来するなど、自然豊かな庭に進化を遂げています。
ところで、四季の春夏秋冬にそれぞれ色がついているのをご存じでしょうか。「春は青→青春」「夏は朱→朱夏」「秋は白→白秋」「冬は黒→玄冬」です。「青春」は若さ溢れるイメージですが、年齢だけを基準にして言うものではありません。サミュエル・ウルマン(Samuel Ullman, 1840~1924 米国の実業家、詩人)は、“Youth”という詩で"Youth is not a time of life; it is a state of mind"(青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方である)と詠っています。私たちの目の前にいるのは、人生の青春を文字通り謳歌する園児たちです。
彼らの青春はこの先も長く続きます。公開教育を参観し、園児たちの「今」を目に焼き付けてください。
彼らもいつかは次のステージへと移ります。年齢的な意味での青春を過ぎたころに、青春について振り返ることもあるでしょう。空が高く感じられる秋の朝、園児たちの遠い将来に思いを馳せつつ、自身の心が青春で満たされる日々に感謝するばかりです。青春後期高齢者としては維持が課題です。